もみやまです。

最近は、外国人風カラーの流行に伴って、
ブルー系やシルバー系のカラーの需要が高まっているように思います。

しかし、このブルー系の扱い方はなかなか難しく、
技術者の頭を悩ませる種の一つであるのと同時に、
技術力の差が仕上がりに大きく左右するものだと思います。

研究やキャリアなしでは綺麗な仕上がりはなし得ないということで、
わたくし樅山も一生懸命ブルー系の研究に日々没頭しています!

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まず理屈から入るぼくは教科書を開きました(o^^o)

なぜブルー系は扱いが難しいのか。
色彩学の分野からみていくと、色味として弱いことが一つの原因です。
日本人の髪の色は、基本的に濃い赤褐色のメラニン色素が密集し黒髪を形成しています。

ヘアカラーの原理は、
このメラニン色素の脱色と人工色素の発色を同時に行なっています。

つまり色味の弱いブルーは、このメラニン色素の赤にほとんど消されてしまいます。
そして脱色をすればするほど今度は黄色やオレンジっぽくなった
メラニン色素と混ざって緑色になってしまい、
さらに脱色を繰り返せば髪や頭皮にダメージが出るため
ブリーチがシビアになっていく上に、
発色させた色が今度は沈み込むように変色してしまいます。

ここで、科学の話!
ヘアカラーに使う人工的な染料を酸化染料というのですが、
この酸化染料、ブルー系の場合は分子の結合連の数が非常に少ないため、
壊れやすく変色しやすい性質を持ってます。
逆に暖色系と言われる赤やオレンジの酸化染料は結合連の数が多く壊れにくく安定してます。

そのためブリーチ後のダメージ毛や
縮毛矯正後のような不安定な髪の状態では
染料が沈み込みを起こしやすく綺麗に発色しません!

ですから、自分の持っている仕上がりのイメージに向かっていくためには、
これらをすべて計算した上で薬剤をコントロールしていく必要があります。

まずメラニン色素の赤みと戦うには、補色というのを上手に使います。
同時に行われる脱色後のメラニン色素の状態を読み、
それに合わせて補色という、色彩学上の反対の色味を加えるようにします。

例えば大雑把ではありますが、赤と緑、オレンジと水色、黄色と紫、
というのが各補色に当たりますが、
これらを混ぜることによってニュートラルな無彩色が出来上がります。

しかし、難しいのは同じ分量ではないということです。
色には強弱があり、オレンジに対する水色なんかは、
僕の実感論にはなりますが役三倍程度水色が必要だと思います。
そこを読みきった上で、色味をきちんと配合できた時は技術者がドヤ顔をする瞬間です。

続きは、ブルーカラーの追求2に!お楽しみに